いまどきの子供たちが
学校で食べさせられている
変な給食



ツイストパン、チルドチョコ、華風コーンスープ、ミートボール、牛乳

埼玉県・本庄市、上里町
 微妙な不協和音を奏でる献立を提供するのは埼玉県本庄市と上里町。 学校給食組合の担当者によると「 栄養バランスの問題」 だという。
 「パンと中華風スープということでヘンだと思われたのかもしれませんが、華風スープは中華風ではなく洋風なものに中華の味付けをしたもの。 ニンジンなどの野菜、うずら、ベーコンも入って栄養価も高いんです 」
 とよくわからない理屈で前置きし、
 「チルドチョコはジャムと同じで甘いものをつけてパンがすすむようにという狙いとともに、鉄分強化がある 」
 と個々に高い栄養価があると主張する。 ただ、ミートボールが2個だけというのはちょっと寂しいのではと言うと。
 「揚げ物や天ぷらなどのオカズは50~60円とコストが決まっているんです。 ミートボールは1個30円なのでこれは単純にコストの問題 」
 と不可抗力だと訴えた。

クロワッサン、キムチ焼きそば、イカナゲット、いよかん、牛乳

埼玉県・狭山市
 オリジナリティあふれる食べ合わせを考案した埼玉県狭山市。 学校給食センターの担当者も
 「普通に考えたらクロワッサンならスパゲティとかの組み合わせですよね…… 」
 と弱気な発言。 そして、学校給食ならではの“縛り”があるせいだとこぼす。
 「 本来なら私だってキムチ焼きそばだけにしたいのですが、それでは文科省が定めた栄養所要量基準を満たさないんで。 焼きそばやスパゲティなどは、コストや調理する鍋の事情もあってどうしても量が少なくなってしまう。 そこで栄養を補うためにパンをつけたんです。 あくまで補食なのでコッペパンのようにボリュームのあるものは出せず、デニッシュやクロワッサンなど軽めのパンになっちゃう。 なぜこういう組み合わせになったのかと聞かれても、たまたまとしか…… 」

やきそぱ、チキンペンシルソーセージ、パイナップル、牛乳

 愛知県長久手町の献立は、一見するとちょっぴり寂しい。 担当栄養士も、
 「寂しいですよね、でもパインを切るのに人がいるかなと思ったんで、他を手間がかからないように……要するにお金、人件費の問題です 」
 とまさしく厳しい台所事情をのぞかせた。
 だが、このようなオトナの事情だけではなぐ確信犯的に 「変な給食」 をだす学校もある。

カレーラーメン、たこ焼き4個、乳酸菌飲料、牛乳

愛知県・一宮市
 子供が好きなものばかり集めたような献立をだす愛知県一宮市。 考案した栄養士はまだ1年目の新人だというが、その熱意はかなりのもの。
 「ラーメンは月1回だけと決まっているんですが、同じメニューばかりだと飽きられてしまうので常に新しいものを取り入れるようにしています。 地域にカレーラーメンが美味しいお店があると聞き、そこに実際に食べに行って研究しました。 子供たちからは非常に好評でした 」
 と自負する。 新人栄養士がすでに似たような給食で育った「 変な給食世代」 のためか、その信念は揺るぎない。
 子供たちによかれと思ってやったことが逆に裏目に出てしまう場合もある。

ごはん( 1年生はいちごツイストパン )、すまし汁、チャプチェ、韓国のり( 2~6年生 )、牛乳

大阪府・東大阪市
 こちらは東大阪市。 チャプチェとは春雨と野菜を炒めた韓国料理。 それをなぜか1年生だけが、ごはんではなく菓子パンで食べるという罰ゲームのような組み合わせ( 韓国人も普通はごはんだ )。 不思議に思って担当者に聞くと。
 「1年生は入学したばかりで、まだ配膳が不慣れなので4月中だけ配膳しやすいようにパン食なんです。 このような変わった組み合わせは4月だけのことでまったくの偶然 」
 と運命のイタズラであることを強調した。
 これまで紹介した、変な組み合わせの献立と趣を異にするのが、ユニークな試みでマスコミにもよく取り上げられるさいたま市の中学校。

塩にぎり、たくあん、みそ汁、焼き鮭

埼玉県・さいたま市
 組み合わせは良さそうだが、育ち盛りの中学生には、寂しすぎないか。
 給食週間に合わせて、明治時代に日本で初めて出された給食を再現したそうで、この学校では給食週間の間ほかにも、昭和30年代や50年代の学校給食を再現するなどし、担当栄養士は 「食育に役立つ」 と胸を張る。
 「昔の給食の再現は子供たちとタイアップしていて、当時のことを調べて掲示板に発表します。 脱脂粉乳やクジラなどのメニューは家に帰ってから親子の会話が弾むと大好評でした。 また、“塩にぎり、たくあん、みそ汁、焼き鮭”という質素メニューだけが続くと子供たちも寂しいと思い、“世界の料理”という企画でタイ、インドネシア、オーストリアなどの郷土料理も出します。 もちろん、これも学習の狙いもあります」
 同校は他にも極力手作りをモットーとするなどし、ゼリーはすべて手づくり、月イチでパンも焼いている。
 どこの給食も栄養士は決して手抜きをしているわけではなくむしろ、みなさん一生懸命やっている。 でも、残念ながらこのような調理側の諸事情やそれなりの企画意図があって「 変な給食」 が生まれているようだ。

五目やきそば、アメリカンドッグ、一口ケチャップ、パイナップル、牛乳(沖縄県・浦添市)
メロンパン、ミネストローネ、ほうれん草のソテー、牛乳(大分県・大分市)
揚げパン、洋風卵スープ、杏仁豆腐、乳酸菌飲料、牛乳(東京都・文京区)
 「学校給食と子どもの健康を考える会」 の幕内秀夫代表は、今回の献立を見て 「ゴム」 の給食が多いと指摘する。 「ゴム」 とは、無国籍、無地方、無季節、無家庭、無バランスの5つの 「無」 のこと。
 「明治時代の給食を再現した献立は、他の献立に比べれば余程まとも。 全体的に油と砂糖を多く使った献立が非常に目立ちます。 栄養士さんはまず第1に栄養バランスを考えた結果、次に予算がない、そして3番目に子供が残さないよう好みに合わせた結果と言い訳をしますが、同じ条件でもちゃんとしたものを出しているところはあります。 一番言いたいのは、これでは、国が進める食文化を理解し健全な食生活を目指すという食育基本法の理念とはほど遠くなってしまっているということです 」
 いずれにせよ、こんな献立が会社の社員食堂で出てきたら ……。 まあやっぱり外の定食屋に足が向かっちゃうだろうな。





( 2012.01.24 )

 …… と


主食がパンでおかずがキムチチャーハン
 砂糖と油は控え、カロリーをコントロール。 食べ合わせも考え、栄養バランスに気を配る ―― 健康レシピをいくら家庭で実践したところで、給食に問題があれば元も子もない。 そう懸念せざるをえない現状を指摘するのは、 『変な給食』 『もっと変な給食』 ( ブックマン社 )を上梓した栄養士の幕内秀夫氏。 日々、全国の学校献立に目を通す幕内氏が再現した 「変な給食」 のひとつとして、京都府船井郡の給食を紹介する。

 メニューは、キムチチャーハン、小型パン、わかめスープ、デザート牛乳。 幕内氏は、炭水化物だらけで栄養バランスが悪い代表格として、この給食を挙げている。

 





( 2014.11.25 )




 アメリカでは、子供たちの3人に1人が肥満であるという。

 Bloomberg の 記事 によれば、2013年に連邦政府の支援を受けた 「全国学校給食プログラム」 ( NSLP )が公立学校と非営利の私立学校で提供したお昼の給食は合計51億食。 これは、毎日3200万人以上の子供たちが、NSLPが提供する給食を食べていることを意味する。 つまり、学校給食の質が、アメリカの若者たちの健康状態に何らかの形で関係するということだ。


アメリカで提供されている典型的なお昼の学校給食


揚げた「ポップコーンチキン」、マッシュポテト、グリーンピース、フルーツカップ、
チョコレートチップ・クッキー、ケチャップ
 給食を改善することは、子供の健康の改善につながる。 そこでアメリカの給食と世界各国の給食を比べて 「格差」 を明らかにしようというアイデアを思いついたのが、地元産のオーガニックな材料を使い、クイックサービスで健康的な料理を提供するレストランチェーン 「Sweetgreen」 だ。 彼らは世界の学校給食を再現して、写真をブログサービス 「Tumblr」 に 投稿 した。

 世界各国の給食を再現するにあたり、 「それぞれの国の学校給食の基準を調べて評価し、そのデータをその国の子供たちがソーシャルメディアに投稿した実際の給食の写真と比較した」 と Sweetgreen 社の代表がハフポストUS版に語ってくれた。

 こうした方法をとった理由は、同じ国でも、地域によって学校で出される給食の内容が違う可能性があるためだ。 ここで紹介している写真は、必ずしも各国の学校給食を正確に再現しているとは限らないが、その国の全体的な傾向は反映しているという。

 アメリカの政府や自治体も給食の現状について決して無関心なわけではなく、改善に向けての努力はみられる。 たとえば、ニューヨーク市の公立小学校では、全校のカフェテリアに生野菜のサラダバーの設置をすすめていて、2013年までに1300校の設置を終えた。

 また、ミシェル・オバマ大統領夫人も、子供向けの食事やおやつを健康的なものにするための基準づくりに 積極的に取り組んでおり、オバマ大統領も2010年に、子供向けの 栄養プログラム を改善し、果物や野菜を使った、より健康的な学校給食を提供を促す法律 「Healthy Hunger-Free Kids Act」 ( 子供たちが健康で飢えないようにするための法律、通称 「ヘルシー法」 )に署名して法制化している。

 それでも世界の給食と比べてみると、アメリカの給食には新鮮な野菜や脳に良い栄養価の高い食べ物が少なく、揚げてある食べ物が多いようだ。

 以下に紹介する世界各国の給食で、どれを一番子供たちに食べさせたいだろうか?


《ブラジル》


ポークの野菜添え、ブラックビーンズとライス、サラダ、パン、焼きバナナ



《イタリア》



ルッコラの上に盛りつけた地元産の魚、トマトソースのパスタ、カプリ風サラダ、バゲット、ぶどう



《フィンランド》


豆のスープ、ビートのサラダ、にんじんサラダ、パン、いちごとブルーベリーを添えたパンナッカウ(デザートのパンケーキ)



《韓国》


魚のスープ、豆腐をのせたご飯、キムチ、数種の野菜



《フランス》


ステーキ、にんじん、いんげん豆、チーズ、リンゴ、キウイ



《ギリシャ》


オルゾー(米粒型のパスタ)にのせたチキン、ぶどうの葉の詰め物、トマトときゅうりのサラダ、小型かんきつ類、ざくろの実を添えたギリシャヨーグルト



《ウクライナ》


マッシュポテトとソーセージ、ボルシチ、キャベツ、シルニキ(チーズを使ったパンケーキ)



《スペイン》


野菜入りライスにのせたエビのソテー、ガスパーチョ、ピーマンのサラダ、パン、オレンジ